「学習の成果」

病院内分教室や高校と連携し、円滑な復学が実現!(高1男子)

中学生の時に骨肉種を発症し、治療を継続しながら高校生へ進学した生徒を支援しました。

1.病院内分教室卒業後の支援

O君は中学校3年生の9月に骨肉種を患い、阪大病院に入院することになりました。中学校のときは刀根山支援学校・阪大病院分教室で勉強を続け、受験をし、見事高校に合格することができました。しかし、入学式には登校することができたものの、治療が続いたため、その後は全く学校に行けない状況が続きました。
受験が終わり、勉強も一段落ついたころ、幸いなことに分教室の先生がO君に対してエスビューローの学習支援活動を紹介してくださっていました。分教室は中学生までで、高校生は授業を受けることができないためです。そして高校に進学し、院内学級を離れた4月から支援を開始することになりました。

2.学習の機会の提供

エスビューロー事務所の近くにある阪大病院に入院していたこともあり、入院中はベッドサイドまで訪問し、学習支援をしていました。抗がん剤の副作用で体調の良くない日や、体調が良くても免疫力が低下しており面会ができない日など生徒に合わせて臨機応変に対応し、平均して週に3回程度支援していました。
O君の場合、前籍校への復学というわけではなく、入院中に高校へ進学し、退院後は高校へ通い始めることになります。学校の授業レベルがわからないために取り残されるのではないか、というように学習面での悩みを抱えていました。

3.スムーズな退院・復学のためにできること

学習面での問題を解決するためにまず、直前に所属していた阪大病院の分教室と連携することを考えました。保護者の方と協力し、院内学級の方に、学習がどこまで進んでいたかという情報を提供していただきました。
また、入院中のO君のもとへ高校の担任の先生が何度か訪れてきてくれていたため、その際に各教科の進度や学習範囲の情報を、本人を介して得ることができました。
それらの情報や、本人とのコミュニケーションの中での実態把握を基に、「院内分教室からの学習の連続性」「高校の授業内容の精選」「本人の得手不得手と希望」を考慮した学習指導計画を作成し、継続して学習支援を行いました。
5月の下旬頃になると、外泊許可をとって午前中や午後など、時間を限定して登校することも増えていきました。中間テストも数教科受けることができ、思っていた以上の点数が取れて本人も喜んでいました。6月に退院を控え、円滑に高校生活へとシフトできるよう、退院時懇談会を企画しました。
保護者の方と連携しながら、本人・保護者をはじめ、高校の担任の先生、学年主任、養護教諭、整形外科の主治医、小児科の先生と我々エスビューローが参加する懇談会を開くことができました。院内分教室の先生のご協力により、退院時に使う「退院時連絡ノート」をいただき、それに沿って復帰後の学校生活や行事などの話し合いを行いました。

4.遠隔学習による支援

退院後、期末テストは全て受けることができました。夏休み中は期末テストの反省を踏まえながら引き続き1学期の復習を行い、「ネットでeクラス」の遠隔学習を利用しながら週に3回程度学習支援をしていました。現在は学校の授業も始まったため、週に2回「ネットでeクラス」での勉強をしています。授業でのわからないところや、予習も少しずつやりながら進めています。本人も自宅で勉強を教えてもらえることを喜んでくれており、効果的に活用できています。今後も、引き続き勉強を支援していきます。
O君に学習の機会、学習するという選択肢を与えてあげられた「ネットでeクラス」の実践は、これからの病弱児の学習をサポートする新たな手段となります。これによって学習支援をできたことが、本人の勉学へのモチベーションにつながり、円滑な復学が可能になったのだと思います。

 

訪問学級を引き継いで、高卒認定試験に合格!(19歳男子)

白血病で骨髄移植経験を持つTくん(19歳)は、晩期合併症の影響から学校へ通学することができず、昨年(2011年)までの3年間、特別支援学校高等部の訪問学級で学習してきました。昨年3月に特別支援学校は卒業したものの、訪問学級では単位数が少ないために高卒の資格を得ることはできませんでした。

Tくん本人も「しっかり勉強をして高卒の資格を取りたい」という強い意欲があったために、Tくんの訪問学級の担任教諭が学習支援を引き継いでくれる機関を探していたところ、たまたま「ネットでeクラス」を紹介している番組をご覧になったそうです。早速エスビューローに連絡をいただき、「ネットでeクラス」による支援を2011年4月より開始しました。

授業は週3回(各3時間)の個別学習を行いました。訪問学級では、国語や英語は高校生の内容も学習していたようでしたが、数学は中学生の範囲まで学習を終えたところで、また社会や理科に関してはまったく学習できなかったそうです。そこで、科目によっては中学生の内容から始め、じっくりと学習支援を進めていきました。

実際の受験は、本人の体調も考慮し一度に3科目ずつの受験となりましたが、2011年8月の試験では国語・英語の2科目、2011年11月の試験では数学・世界史・日本史の3科目と、2011年度は合計5科目に合格することができました。

Tくんは実際にネットでeクラスを利用した感想として、「自宅にいながら勉強を教えてもらえるのがいいと思っています。今まで体力がなかったけど、ネットでeクラスは自分のペースでやれるのがいいです。」と語ってくれていました。

さらに2012年度も引き続き、ネットでeクラスを通じて週に3回(各2時間)、現代社会・生物・地学の学習支援を行いました。
高卒認定試験の過去問を解いていくことで着実に学力を高め、今年8月の試験で見事、3教科とも合格判定を取ることができました。
これで高卒認定試験の必修8教科すべて合格し、高卒認定の資格を得たことになります。

Tくん本人も、「これで次のステップへ進むことができる」と喜んでくれています。
エスビューローではTくんのこれからの頑張りを応援するとともに、ニーズがあれば引き続きネットでeクラスを通じた支援も実施していく予定です。

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