今なぜ、小児がん学習支援コミュニティなのでしょうか?

退院後における小児がん経験者の問題点の構造:ポスト復学問題

私どもNPO 法人エスビューローでは、平成17 年度から「患児の復学を支援する事業」を展開してまいりました。入院中でも地元校との「つながりを維持」し、教員と医療者、保護者、院内学級という「関係者が連携」することで、円滑に復学できる可能性が高まることが分かってきました。しかし一方で、進級や進学へとすすむ過程において新たな問題(私たちは復学の後に生じる問題ということで「ポスト復学問題」と呼んでいます)が生じています。

身体的側面 そのひとつは、成長発達への影響や虚弱などの晩期合併症です。視覚や聴覚等への影響から学校の勉強が遅れがちになる生徒も少なくありません。
社会的側面 現行の病弱特別支援教育では十分でないケースもあります。院内学級のない病院や自宅療養期間の長い生徒は訪問学級が利用できますが学習時間は必ずしも十分ではありません。
対人関係の側面 退院後も続く化学療法や晩期合併症によって運動会や修学旅行などの行事への参加が制限される生徒も多く、それがクラスメイトとの疎外感を誘発し、彼らを孤立させます。
心理的側面 上記の要因がマイナスに相互作用することで、自信の喪失や将来への不安、気分の落ち込みを感じる時間が長くなる傾向がみられます。

悪循環

このような現状に対して「ネットでeクラス」という学習支援を
無償で提供する活動を始めました!

 

テレビ会議システムを利用した「ネットでeクラス」の意義

学習の「空白」をサポートします!

患児・サバイバーに生じやすい学習の「空白」を個人的状況に配慮してサポートします。
たとえば……

  •  院内学級のない病院で訪問学級では不足する学習時間のサポート
  •  退院後の自宅療養期間のサポート
  •  退院後も継続される通院化学治療によって不足する学習時間のサポート
  •  進学のために塾に通いたいが、身体的制約(晩期影響)のため困難な生徒のサポート

僕たち、私たち、といえる「空間」を提供します!

退院後は地理的、物理条件的に出会うのが困難な患児サバイバーが集い、仲間と交流できるコミュニティとして機能します。

  •  ここなら、同じ体験をした仲間なので安心して話せます。(H さん)
  •  次のホームルームまで頑張ろうという気持ちが力になり、高校でも徐々に積極的に話せるようになりました。(K くん)
  •  会話を楽しめる友だちができ、いろんな方々との付き合いの中で人間関係が広がりました。(T くん)

身体的制約のあるサバイバーにとって在宅就業の道を拓く可能性があります!

  •  車椅子の僕でも家庭教師のアルバイトができるので助かっています。(S くん)
  •  ワードで日誌を書いたり、エクセルでアンケート入力のアルバイトをさせてもらっています。(N くん)
好循環

 

ポスト復学問題の解決を目指して

「ネットでeクラス」は、公共による特別支援教育(院内学級や訪問学級など)と連携しながら、私たち民間のNPO が、その長所を生かしてコミュニティを構築し学習支援を行おうとするものです。全国に点在している先輩後輩や仲間同士が画面上で出会い、話し、ともに考え、そして笑う。そのような豊かな関係の構築と、晩期影響に配慮した個別対応の学習支援により、ポスト復学問題の解決を目指して生徒に安心と希望を与えてまいります。

ネットでeクラスとは……

インターネットを活用して小児がん患児の学習を支援する新たな取り組みです。
講師が生徒に一対一で教える『個別学習』と、9人が集まって行う『ホームルーム』があります。

自宅から、病院から、ネットへの接続環境さえあれば利用が可能です。
教科書に準じた教材も充実。病弱教育の研修を受けた講師陣が対応します。

エスビューローとは……

メディカルコミュニケーション&コミュニティをスローガンに阪大小児科で入院生活を共にした患児家族と医師とで2000 年5 月に発足したNPO 団体です(2001年法人化)。小児がんに関連する様々な支援を行っています。2008 年からは毎年夏に「小児がん・脳腫瘍全国大会」も開催しています。

参加ご希望の方は、Eメール(m-nagasawa@hcn.zaq.ne.jp)にてお問い合わせ下さい。
※現在、「ネットでeクラス」の活動は休止しております。ご了承ください。

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